小児腎臓科とは
小児期によく見られる腎臓疾患の検査や診断、治療などを行う診療科です。当クリニックでは、学校健診の際に血尿やたんぱく尿が見つかったお子様、先天性の腎疾患や尿路異常があるお子様、尿路感染症を発症したお子様、そして頻尿やおもらしや夜尿症に困っているお子様などの治療を受け付けております。
当クリニックでは腎臓専門医の視点から、血液検査や尿検査、超音波検査などを必要に応じて行います。その結果、さらに専門的な検査や高度医療機関での治療が必要と判断された場合は、松戸市立総合医療センターなどの連携している病院を紹介させていただきます。
このような症状の方は小児腎臓科の受診を
- 3歳半健診や学校検尿の際に、尿の異常を指摘された
- 血尿が出た
- 顔や手足がむくんでいる
- 水腎症
- 尿の回数が多い(頻尿)
- 昼間のおもらし
- おねしょ(夜尿症)
- 包茎(ちんちんが赤い、痛い)
など
血尿
学校検尿で血尿を指摘された場合は、尿に赤血球が混じっているのに、色は肉眼的に赤くなく、顕微鏡などを用いないと確認できない場合が多いです。この状態であれば、経過を診る場合が多いですが、以下のような慢性(糸球体)腎炎などの重要な疾患が潜んでいる可能性がありますので、小児腎臓科で必要な検査を受けるようにしてください。特に、尿の色が肉眼的に変化したり、たんぱく尿が出現してきた場合は、治療が必要になる場合が多いので、注意深く、経過観察する必要があります。
血尿の原因を調べる検査により、疾患が確定された場合は、その疾患の治療を行います。
水腎症
尿路が狭くなったりして、流れがゆっくりになることから、腎盂や腎杯が大きく拡張してしまう状態です。結石・炎症・腫瘍が原因となって引き起こされる後天性のこともありますが、小児の場合は大半が先天的な狭窄です。
先天性水腎症の原因は、何らかの遺伝子が関与していると考えられていますが、現時点でははっきりと解明されたわけではありません。治療にあたっては、腎盂や腎杯の拡張の程度によって異なります。拡張の程度が強い時は、詳しい検査や手術が必要になる場合があります。
おねしょ(夜尿症)
おねしょとは、5歳を過ぎた段階で、1か月に1回以上の頻度で夜間睡眠中の尿失禁を認める状況が3か月以上続く場合を指します。7歳児でも約10%に見られ、その後も徐々に低下していきますが、1%弱は成人期まで続くと言われています。
小学校に入学した後でもおねしょが治らないときは、小児腎臓科を受診することをお勧めします。生活指導などの治療を行うことにより、自然に治癒を目指す場合よりも早い効果が望めますし、治癒が早い方がお子様自身の自尊心も回復しやすいと言われているからです。
治療は、夜間尿量を減少させる抗利尿ホルモン薬の内服やアラーム療法などが中心になります。患者さまの状況に応じて、他の治療を追加することもあります。
包茎
ちんちんの亀頭が包皮に覆われ、露出不可能な状態を包茎と呼びます。包皮の先端が狭いため、亀頭を出せないものを「真正包茎」、包皮をめくれば亀頭が出るものを「仮性包茎」と呼びます。一般的に包茎という場合は、真正包茎を指します。
一般的には、2歳くらいまでの男児の大半が真正包茎です。その後、5歳くらいまでには、手指で包皮をめくると亀頭露出が可能となります。さらに、小学生になった段階でも約30%は包茎だと言われています。従って、この年齢までは、原則として治療の必要はありません。ただし、排尿が困難であるケース、繰り返し感染を引き起こすケースなどでは、治療を行います。現在では、軟膏を適切に塗ることで、手術になることはほとんど無くなってきています。